【9/20 TUE】
キューバにて誕生日の朝を迎えた
この歳になると特に嬉しくもないが、祝ってくれる人がいることだけは感謝につきる
疲れのせいか昨夜20時から信じられないくらい爆睡した嫁が、朝からこそこそと誕生日プレゼントの名前入りボールペンを差し出してくれた
旅に無駄な荷物は不要なはずだが、それでもこうして準備しわざわざ日本から持参してくれて嬉しく思う
旅に出て早いもので7ヶ月半が過ぎた
仕事しながら活動していた頃がウソのようだ
不安だらけの時期もあったが、どうにかこうしてやってこれた
その気になれば、何とかなるもの
変化に順応できたことを自ら誇りに思う
地図片手に知らない街に立てば、やはりワクワクしてくる |
旅に出るといろいろな考えが頭を巡る
時に自分の居場所や行動を不思議に思うこともあるが、これは自分の選択した道
今の経験を今後の糧にして、帰国したら情熱と誠意を胸に大暴れするつもりだ
こうして旅を続けられるのも家族や友人、そしてNordica SKI ,Patagonia ,Tabippo編集部のおかげ
皆様には感謝が尽きない
絶対に恩返し致します
家を出てハバナの観光の中心部まで歩いた
宿の周りはブラックストリートだが、観光地はやはり観光地
とても綺麗になっている
そして古い町並みをクラシックカーが走る光景はハバナの醍醐味
これは一見の価値があるかもしれない
要塞の前で |
街にはキューバのヒーロー、チェ・ゲバラが溢れている
世界に名だたる革命家だ
数年前公開されたチェの半生を描いた映画を見た
全体的にダークなトーンで話が進むうえ、前編&後編の二本立て睡魔との戦いを強いられた
それでも彼の社会貢献に対する信念と正義に胸を打たれたのは忘れない
今の日本にも正義に溢れた革命家が必要なのかもしれない
そして猫や犬が多く、人と共存している
人の輪の中心に不思議とポツンと居座る子達が多かったのが微笑ましく印象的だ
輪の中心にポツン |
こちらもポツン |
ネズミまで仲良し |
ただ、想像以上に客引きが多くうんざり
そして街の両替所では、換金のために長い時間並んでいた列に入口寸前で横入りされ、モメている間に両替所が昼休みの時間を迎え、容赦なく目の前でシャットアウト
しばらく赤道直下に滞在していた僕たちにとって日差しでさえも強く降り注ぎ
どうにもストレスフルな時間が流れる
両替所に殺到する長蛇の列 |
それを一気に払拭してくれたのが日本食堂という名の日本食レストランだった
入ってみるとノリコさんという気さくな女性が営んでおり、少ない食材で本場の味を再現していた
しかも客の雰囲気も良く、僕たちはハシの使い方を他の客に教えながら楽しくも美味しい時間を過ごせた
中米の喧騒に疲れたら日本食堂へ!
客はその店を象徴する ここの客はフレンドリーで良い奴ばかりだった 箸の使い方をレクチャー |
宿に帰ると、オーナーのマリーンが、誕生日を知ってくれていて、ハグして祝ってくれた
こんな細やかな喜びの積み重ねが旅だったりする
そして旅人のその国の印象というのは雑把なもので、こんな些細な出来事でその国が大好きになったりする
お世話になったアレク・マリーン夫妻 |
海はメキシコほどキレイではないし、サーフィンの環境は全くなかったが、それでも少しだけハバナが好きになってきた
そして34歳を迎え、それでも海外で相変わらずハチャメチャに、でも逞しく過ごしている自分が昔より少しだけ好きになれている
小さな小さな自分を少しづつ越えていく日々はまだまだ長い
【9/21 WED】
朝からサイクルタクシーに乗り、観光の中心地オビスポ通りへ向かう
サイクルタクシーは幌でできた日傘が付いており、涼しくて快適だ
車内の香りは運転手の汗次第だが、臨場感が溢れていて悪くない
香りが充満してきた頃、オビスポ通りに着いた
ローカルのバーガー屋で$3で二人分の食事を調達
これでこそキューバだ
レストランや観光インフラは、このキューバブームに乗じて金の請求がひどい
味や量を含めたサービスの質と支出の対価が全く見合っていないことが多く、フラストレーションがたまる
このままではキューバ旅行はリピートされず、残念ながら一過性で終わってしまう
目の前でサルサの演奏があるのは良い でも味と量と金額が見合わない |
街のスーパーも少ない商品をただ並べるだけのクオリティ |
お土産屋も軒並み高額 |
観光客も観光客だ
ここオビスポ通りでは多くの日本人観光客とすれ違ったが、どうにも海外旅行を取り違えている
治安は悪くないとはいえ、ここは中米
決してリゾート地ではない
通りから一歩踏み込めばブラックストリートもあるのに、花柄のワンピースとサングラス、女優帽にバッチリメイク、肩には高価なバッグと立派なカメラという出で立ちの女性が多い
海外旅行=リゾートという発想はやめたほうがいい
そして海外だから、と出費を当然と思い、高額請求でもクレームを入れず、あるいは断らず、受け入れて払ってしまう
それが質に合わないサービスや、極端にいうぼったくりを促進させてしまう
昨日の両替所で$USを換金
列に並んでいると、もう直ぐ入店というところで、友達が並んでいたんだと言いながら5人くらいがゾロゾロ。。。
生活水準は教育水準に比例し、途上国にはモラルに欠ける行動が目立つもの
キューバ国民は弱者に優しい一面を持つものの、やはり品位に欠ける行動は目に付く
$USはまだ国交復活したばかりで換金には10%手数料が上乗せされる
今後キューバトリップブームの下火は非を見るより明らかで、そうなればこの10%も廃止されてアメリカからの観光客の流入を狙うだろう
換金したお金でレンタサイクル
やはり僕には公共交通機関より自力で進める旅の方が性に合う
日差しは強いが、それでも古い町並みをすり抜けクラシックカーと並走する気分は悪くない
情報を持っていないながらも革命の象徴とされているモニュメントやチェ・ゲバラをあしらった革命広場を眺め、ビーチへ向かう
猛暑とうだる日差しのなか自転車を漕ぐこと45分
ビーチに着いた
ヤシの葉で作られた傘が並び、オープンテラスのレストランもあり、それっぽい雰囲気がある
ところが、ビーチと呼べるような砂浜はなく、アスファルトむき出しの海岸でみな日光浴や海水浴を楽しんでいる
不思議な光景だが、これではサーフィンは出来ない
この度は、地球の雪と波で遊ぶ旅
キューバの情報は全くないが、それでもキューバの波と遊ぶべく色々試行錯誤し、地元のサーフィン協会とやらに問い合わせしてみた
キューバにもローカルサーファーはおりポイントが存在するものの、本当に少数
サーフボードを持たない者もいるとのこと
(それってサーファーと呼べるのか。。。?)
レンタル設備なんかも皆無なため、サーフボードは持参してくれ
できればそのまま寄付してくれとのメッセージ
。。。
キューバでのサーフィンには時間が必要だ
ただ、ここはカリブ海
海水は澄んでいて暖かく、とても気分が良い
海を満喫したのち、自転車を再び漕いで街まで帰り、日本食堂や街角で知り合った人たちに挨拶して夕陽を眺めながら帰路へ
町並みが古いだけに、夕暮れ時はやけにノスタルジックな雰囲気になる
そして日が傾きだすと街の至る所で子供達のサッカーや野球が始まる
キューバ野球の原点 |
子供が元気なら差し当り平和だ
家ではマリーンが明日のフライトと出発時間、そしてタクシーを気にかけてくれていた
僕らがスペイン語をまともに話せず、言葉もいまいち通じないのに、メモを使って心配してくれている
早朝からこの街にタクシーが走っているとは思えず、心配だっただけに本当にありがたかった
ありがとう、キューバの母!!
違った目線と独特の感性でオモシロいです
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